不妊や逆子、月経不順、月経前困難症など産婦人科領域の鍼灸治療は、目下、業界内で注目を浴びています。
今回は、妊婦さんへの施術に対して留意すべき点を中心に、実技を交えながらご講義頂きました。
産科領域でよく話題になる逆子(骨盤位)。骨盤位に対する至陰穴、三陰交穴への施灸はご存知の方は多いかもしれません。しかし、この情報だけを短絡的に利用して臨床に臨むことはとても危険です。臨床にはいろいろなリスクが潜んでいます。特に妊婦さんとなると、母子ともにリスクを回避した安全な施術が大前提となります。さらに、患者さんへの丁寧な説明及び同意を得ることも大切なポイントです。
これらのことを考えて臨床に臨むには多方面に渡った見識が必要となります。
感染しやすい妊婦さんへの施灸のリスクや流産に対する説明、施術するタイミング、骨盤位に対する鍼灸施術の適・不適や医療機関の連携など…。
また、現在までに蓄積されてきた産婦人科に対する鍼灸治療の研究結果を知っておくことも、インフォームドコンセントを行う際にとても大切になってきます。
さらに、すぐに専門医の受診を勧めなくてはいけない兆候など極めて重要な情報についてもご教示頂きました。鍼灸院に来られても断る勇気もケースによっては必要です。根拠もなく、漫然と診療を続けて万が一のことがあったら大変です。
必要な知識と技術を得てから臨床に臨むことの大切さを再認識させられた授業でした。
(丁寧に問診中)
(脈診〜滑脈が解るようになると良いですね。)
(妊婦さんを想定しての腹診)
(シムスの体位を実践中)
(個別で刺鍼ポイントを指導)
妊娠中だけでなく、産後のケアも含め産科領域の鍼灸施術の役割は大きいことを感じさせてくれた示唆に富んだ講義でした。
臨床専攻課程は、臨床に特化した課程であり、各専門分野のエキスパートによる臨床に則した授業が集中的に行われます。
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鍼灸マッサージ教員養成科
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